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2026/09/24 お知らせ
辺境の工場に宿るものづくりの原点――世界の生産現場を歩いて
2015年前後を境に、中国におけるバッグ製造の勢いは落ち着いたと語られることが多い。生産拠点が東南アジアへとシフトする中で、一見すると衰退したように映ったのだろう。しかし実態は異なる。日本の調達先が移り変わる裏で、欧米をはじめとする一部の海外企業は変わることなくこの地に強固なサプライチェーンを敷き、発注を継続していた。
戦後日本の海外生産史は、韓国、台湾から中国大陸へ、そしてインドネシア、フィリピン、インド、バングラデシュ、ベトナムへと拠点を広げてきた。どれほど時代が変わろうとも、根底にある基準は極めて明快である。「具現化できる技術があるか」「要求品質を満たせるか」「採算が合うか」。この三つの命題に、生産地は常に答えを迫られてきた。
長年現場を踏んできた身として、ひとつの実感がある。直行便がなく移動に多大な時間を要し、気候は過酷で、料理の刺激がやけに強い――そうした僻地の現場ほど、価格競争力という明確な強みを持っていることが多い。二つ星の宿や言葉の壁に苦心するような過酷な環境にこそ、効率や理屈だけでは測れない「ものづくりの根源的な熱量」が息づいており、そこから得られる知見には計り知れない価値がある。
出張先のホテルで他の外国人を見かけるようになると、「あぁ、ここもそろそろ次を探さなきゃいけない合図やな」と感じることがある。不便だったはずの場所に人が増え、相場や環境が少しずつ変わっていく気配を、宿のロビーですれ違う姿が教えてくれるのかもしれない。
幸いなことに、近年は難易度の高い新たな相談をいただく機会が増えている。納期や仕様の複雑さゆえに他社で見送られ、行き場を失った企画にこそ、私たちが培ってきた経験と粘り強さを発揮する余地がある。ロットやコスト面での現実的なすり合わせは不可欠だが、難題であればあるほど、生産の現場に骨を埋めてきた者としての矜持が掻き立てられる。
このウェブサイトを通じてご縁をいただいた多くのパートナー企業の皆様には、深く御礼申し上げます。
今月もまた、広大な中国の各エリアを巡り、工場現場と向き合っている。泥臭く現場の土を踏みしめながら、次なるビジネスを切り拓く確かな種を蒔いていきたいと思っております。
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